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発酵トピックス

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食べ物に関する豆知識:昆布

雑学

低カロリーで、ミネラル、食物繊維が豊富な昆布ですが、そんなに沢山は食べられません。ところが、長寿で知られる沖縄県は、東京の4~5倍の昆布や海藻を食べているんだそうですよ!

昆布基礎知識

昆布と旨味

お吸い物や水炊きなどには欠かせない昆布ですが、その旨味の成分がグルタミン酸であるということは、1908年に発見されました。発見したのは日本の方だそうですよ!
昆布だし=旨味(グルタミン酸ナトリウム)は日本食には欠かせないものですものね。
その後、グルタミン酸は調味料として世界中で使われるようになりました。

昆布の厚みで使い分ける

流通する昆布の約90%が北海道産だそうですが、函館など道南の真昆布、知床半島近辺の羅臼昆布、道北の利尻昆布などは幅広で肉厚です。根室や釧路など道東でとれる長昆布などは薄く細長いタイプです。
だしをとるには、グルタミン酸がたっぷり含まれた肉厚の昆布が適しています。一方、昆布巻きのように食べるには、早く柔らかくなる薄い昆布のほうが口当たりがよいです。また、日高昆布のように、だしをとることもでき、煮ても比較的早く柔らかくなる中間タイプもあります。

グルタミン酸とイノシン酸の相乗効果

かつおぶしの旨味はイノシン酸というアミノ酸の一種で、主に魚や肉などのタンパク質に含まれています。そして、グルタミン酸にイノシン酸が加わるとその美味しさは何と7倍にもなることが分かりました。

昆布の力

昆布は現代人に不足しがちな栄養素がたっぷり含まれているといいます。
例えば・・・
・昆布に含まれる鉄分はホウレンソウと同量あります。カルシウムは牛乳の5倍もあるそうです。
・その他カリウム・食物繊維も豊富です。その食物繊維は、昆布からでるぬるぬるとしたぬめり成分アルギン酸です。
これは血糖値の急な上昇を防ぐほか、血中のコレステロール値を下げる作用があるといわれています。さらに、昆布の食物繊維含有率が約30%ととても高い数値です。そのため、便秘予防や整腸作用があるといわれています。
冒頭にも述べましたが、昆布を日本一食べるのは沖縄県だそうです。沖縄の人たちが長寿なのは昆布のおかげなのでしょうか??

昆布だしの取り方

★一番だしのとり方★

昆布は根元に近いほど味が良く、旨味が多く、だし昆布として上等とされています。
分量の参考(一番だし3カップ分)
[材料、手順]
1.水4カップ・厚みのある昆布10g・かつお節15g
2.昆布の汚れをとる場合は、固く絞った布巾で拭きます。表面に見える白っぽい粉は、マンニットという旨味成分ですから、水洗いは禁物です。
3.鍋に水と昆布を入れ火にかけます。鍋の底から小さな泡が出始めたら、すぐに昆布を引き上げます。
4.煮立ったら、かつお節を入れすぐに火を止めます。
5.アクをとります。このとき、だしをかき混ぜないように注意します。
6.手早くこして一番だしのでき上がりです。

★二番だしのとり方★

[手順]
1.一番だしをこした後の昆布とかつお節を鍋に入れ、一番だしをとったときの約半分の水を加えます。
2.弱火で3~4分煮込みます。
3.少しかつお節を足して仕上げます。
4.ペーパータオルでこして、二番だしのでき上がりです。


沖縄県と昆布の出会い

昆布の主産地は北海道や東北の冷たい海で、沖縄の暖かい海では育ちません。しかし、江戸時代に中国に昆布を輸出する際の中継地点となったことから、それ以来、沖縄料理に昆布は欠かせない食材となりました。

だし殻昆布は大切に

美味しいだしを取った後の昆布は、食物繊維やミネラル類がたっぷり残されています。加熱で溶け出す食物繊維のアルギン酸は5%足らずです。したがって捨てたら絶対に損です。煮物や汁の実に使いましょう。

昆布 + 豚肉

沖縄の代表的な昆布料理「クーブイリチー」には、豚肉が使われています。旨味の相乗効果と昆布を柔らかくする効果、昆布の旨味成分のグルタミン酸と、豚肉の旨味成分イノシン酸とが一緒になりいわゆる旨味の相乗効果が起きます。
イノシン酸は豚肉だけでなく、牛肉、鶏肉にも含まれています。そこで、三種類の肉を使って料理をしたところ、豚肉が美味しいと答えた人が8割と圧勝でした。この料理の美味しさは、昆布の柔らかい食感にもあります。豚肉の脂が煮汁の沸点を上げるため、ちょうど圧力鍋で煮たような効果が昆布に生まれると考えられます。

昆布 + 酢の威力

昆布のヌルヌルの正体は、水溶性食物繊維がたんぱく質と結びついたものです。
酢はその食物繊維とたんぱく質のつながりを断ち切る働きがあります。
つながりが切れると食物繊維は水に溶けヌルヌルは消えます。
煮汁に酢を加えてヌルヌルが消えると、煮汁が昆布の中に良くしみ込んでいくことが分かりました。つまり、昆布に味がしっかり付くから美味しくなります。
食物繊維は水に溶けても、加熱しても効果に変わりはありません。
煮汁を煮詰めていく料理なら食物繊維は無駄なく摂る事が出来ます。

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